ノスタルジックよね。
ジャーナリストのやる気をアップさせるのに必要なものは何でしょう。どうやらそれは、タイプライターの音のようです。今ではとんと耳にしないあの音が、BGMとしてロンドン・タイムズで採用されました。
ネタ元のThe Independent曰く、タイムズの記者が今週中頃オフィスに行くと、このタイプライターBGMがかかっていたといいます。長年忘れられていたこの音は、かつてオフィスに鳴り響いていたもの。もちろん、誰かがタイプライターを使っているのではなく、スピーカーから流れる人工的なものなのですが、記者のエネルギーアップを見込んだ遊び心のある実験的試みだということです。
BGMタイプライターの音は、初めは1台のカタカタという音から始まり、新聞の締め切り時間が近づくになりどんどんとその音が強くなっていくという仕掛け。これによって締め切りを意識させるというのが取り組みの意図にあります。
アイディアの元となったのは、トム・ハンクス氏が開発したHanx Writerというアプリ。iPhoneやIPadでタイプライターぽい体験ができるというこのアプリが人気を博したことがきっかけとなりました。しかし、元タイムズの記者で、現在シティ大学ロンドンで教授を務めるGeorge Brook氏は、タイムズのアイディアには懐疑的。「タイプライターは90年代後半にはオフィスから姿を消した。今のオフィスで、当時のタイプライターの音を覚えている人間はほんの少数だろう。音が強くなっていくことで、レポーターがよりよく早く仕事できるのか、それを調べなくてはいけない」と語っています。
タイムズ若手記者はどう感じているのでしょうかね。すでにちょっとネタにされているようですが。
@johnnypaige@SophieWarnes no I love it greatly, especially with it being so close to my desk pic.twitter.com/JPCngd90xh
— Jules Mattsson (@julesmattsson) August 26, 2014
「なんかイラついてるみたいだけど、タイプライターの音のせい?」
「違うよ、めっちゃ気に入ってるって。こんだけ自分のデスクに近けりゃ特にね」
さて、実験的なBGMですが、結果しだいでは他社も導入するかもしれないわけで。カタカタカタ…チーンってな音がまたオフィスにこだまする時代が来るかもしれません。
Image: Wikimedia Commons
source: The Independent
Robert Sorokanich - Gizmodo US[原文]
(そうこ)