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動画のピントも後から合わせられる「レンズレスカメラ技術」、日立が開発

» 2016年11月15日 14時24分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は11月15日、写真や動画の撮影後に容易にピント調整できるレンズレスカメラ技術を開発したと発表した。レンズ部が不要なためカメラの薄型軽量化につながり、モバイル機器やロボットなどのデザイン性向上も見込めるという。

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 通常のカメラは被写体からの光をレンズを通して画像センサーに取り込むため、レンズを配置するスペースが必要となる。新開発のレンズレスカメラは、レンズの代わりに特殊な模様を印刷したフィルムを画像センサーの前に配置。模様を通して取り込んだ光に、画像処理を行うことで撮影画像が得られるという。

 従来もレンズレスカメラの仕組みはあったが、画像処理に膨大な計算が必要という課題があった。新技術では、フィルムに同心円パターンを重ね合わせることによって生じる「モアレ縞」の原理を活用し、計算量を従来の300分の1に削減。実証実験では、標準的なノートPC程度の性能で、毎秒30フレームの動画撮影ができることを確認した。

 画像処理の工夫により、写真や動画の撮影後にピントを合わせられる技術も同時に実現したという。撮影後にピント調整が可能な「ライトフィールドカメラ」はこれまでもあったが、レンズレス化で大幅な薄型軽量化が図れるとしている。

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