すべてのものは頭の中にあります──いや、本当にそうなのです。新しい投資会社の名前、自分のスタートアップ企業で最も競争力を示すのはどの製品か、あるいは、新しい従業員と待ち合わせているダウンタウンのビストロへの行き方。それらを覚えておく能力は、脳の潜在力の一部です。

「私たちは脳の10%の能力しか使っていない」などという昔ながらの迷信は捨てましょう。認知科学者はその学説を疑っています。

では、何が本当かといえば、これです。あなたは日々の細かな部分を記憶し、一番必要なときにそれを思い出すテクニックを身につけることができるのです。私は以下に紹介するトリックを使ったことがあり、特に仕事の会議で後で思いだすためのヒントを書き留められなかったり、電話にメモを残せないときには役立ちました。

1. 情報を5~6回声に出して言ってみる

このトリックに科学的根拠はありませんが、私は毎年ラスベガスで開催されるCES 国際家電ショーで、どうしても新しい会社の名前を覚えておきたいときに何度も使いました。情報を声に出して何度か言うことは、私には有効な効果があります。

新しい投資会社の名前や所在地、展示会場で目に留まった小型装置の名前などを繰り返し口に出して言ってみましょう。TwitchやUberなどの変わった名前であれば、特に効果があるようです。たぶん、情報を耳で聞いて口に出すから、あるいはその情報が、脳内で読んだり、ただ聞いただけの物事とは区別しているからかもしれません。いずれにしても、効果はあります。

2. 情報を別のものと関連付ける

最近、サンフランシスコのダウンタウン付近でミーティングがあったのですが、街中を運転して目的地に向かっている最中、私の電話のGPSが同じ地域の間違った場所に私を誘導していることに気がつきました。私には、混雑している道路で路肩に車を寄せて会社名を確認する時間が(勇気も)ありませんでしたが、それほど大きな問題にはなりませんでした。通りの名前を覚えていたからです。

こういうことは頻繁に起こるので、これは私を補助的に助けてくれる技術となっています。会社はギルバート通りというところにありました。私が滞在していたホテルで住所を見たとき、オペラ台本作家のW・S・ギルバートと作曲家のアーサー・サリヴァンのこと、そして彼らが1800年代にサヴォイ・オペラを作ったことを連想しました。彼らの作品のファンでもないのに、なぜそんな連想をしたのかはわかりませんが、これが役に立ちました。私のiPhoneのSiriにその通りの名前を言い、それをサンフランシスコでの新しい目的地に設定しました。ピンときて、すぐに思い出したのです。そして、短い通りだったのでそれで十分でした。

3. 頭の中でリスト化して記憶する

最後にお伝えするトリックは、私が仕事のミーティングやセミナーで定期的に使うものです。新しい携帯アプリの名前や新しい連絡先など、覚えておきたい情報の一部を取り、心の中で関連するものをいくつかリストアップします。例えば、モバイルショッピングスペースで評判のLystというファッションウェブサイトの名前を覚えたいとしましょう。その際には、Macy'sやBest Buyなど、評判の良いほかの小売店のリストを作ってそれを復唱します。

卵や牛乳など、買い物リストを作ることに慣れていることや、私たちの脳が物事を単独ではなくリストで覚えるほうが得意であることに関係があるのかもしれません(この記事を含めて、リスト記事が多いのも納得です!)。私は、この方法を使ってきましたが、覚えたい事柄が独特なものほど効果があります。

3 Amazing Mind Tricks to Help You Remember More Information|Inc.

John Brandon(訳:Conyac

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