奈良県、自転車ロード整備へ 全長75キロ、県内を縦断

 奈良を自転車で駆け抜けよう-。県は今年度から県内を南北に縦断する全長75キロのサイクリングロードをつくる。将来的には奈良と京都、和歌山を結ぶ「京奈和自転車道」(仮称)として完成させる構想。平成27年度の補正予算に整備事業費として3100万円を計上し、今年度中に工事に着手する。

 サイクリングロードは、奈良市から大和高田市、五條市など県内10市町をつなぐルート。2020(平成32)年の東京五輪までの完成を目指している。その後は京都府や和歌山県とも連携し、全長180キロの3府県縦断ルートとして整備したい考えだ。

 既存の道路を活用しながら、自転車が走りやすいような舗装を施す。また、安全で沿道の景色が楽しめる場所をルートに組み入れる方針で、担当者は「景色や街ごとの表情の移り変わりなど、ダイナミックな自転車の旅を楽しんでほしい」と話している。

 さらに、東京五輪を見すえ、サイクリングロードを使ったさまざまな地域活性化策も構想している。大勢の自転車での旅行者を呼び込むため、サイクリングロードを軸とした周遊観光やイベントを企画するほか、観光客が寄り道できるような支線ルートを整えることも予定している。

 また、自転車利用者にとっての「道の駅」となるような休憩所の設置も検討。ルートの中間に位置する「まほろば健康パーク」(大和郡山市)を食事や休憩ができる拠点施設として、宿泊もできるような改装計画を進めている。

 県ではこれまで観光地域ごとに自転車道「奈良まほろばサイク∞リング」などをつくったが、県内を縦貫する広域的なルートは整備していなかった。

 担当者は「自転車で奈良を縦断する広域周遊観光を楽しみ、自転車道が旅行者と地域のふれあいの場にもなれば」としている。

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