人工の葉っぱが光合成する日がきた

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    人工の葉っぱが光合成する日がきた

    まさに植物そのもの!

    人類が遠い宇宙を探索する夢を実現するには、スペースシップ内に地球と同等の環境を作り出すことが必須となります。単に生活必需品を積載するだけでは十分ではありません。そこでロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生であるJulian Melchiorriさんが考案したのが人工的なバイオリーフ。この人口の葉っぱ、地球上の普通の植物と同じように、光と水を与えると酸素を放出するんです。

    素人的には本物の植物をスペースシップに積み込むのではだめなの?と思ってしまいますが、実は植物は無重力だと十分に育たない可能性があるのだそう。そうはいっても無数の酸素タンクを積み込むよりは、植物のように酸素を生み出してくれるものを持っていくほうが効率が良いわけで…。何か良い代替案はないものかとMelchiorriさんは考えたわけです。

    最終的に彼が創り出したのは人工的なバイオリーフでした。シルクリーフと名付けられたこの人工葉は絹タンパク質から作られた素材で作られており、その中に実際の植物細胞から抽出した葉緑体が閉じ込められています。絹タンパク質からできている素材は植物と同様に呼吸するので、光と水を与えると中の葉緑体が酸素を作ってくれるのです。まさに植物そのもののプロダクトですね。扱いやすく丈夫という点では本物の植物より優秀と言えます。

    もちろんこのシルクリーフは宇宙探索だけでなく、地球上でも活躍が期待されます。例えば大きなビルの換気装置にナチュラルエアフィルターとして採用すれば、外から取り込んだ空気を酸素添加した空気に変えてビル内に送り出すことができます。あるいはインテリアとしても使えそうです。実際にMelchiorriさんはこのシルクリーフを使ったランプシェードを作っていますよ。部屋を明るく照らしてくれるだけでなく、酸素も出してくれる照明なんて素敵ですよね。健康にも良さそうだし。実用化して欲しいなあ。

    source: Dezeen via Newlaunches

    Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

    (mana yamaguchi)