生産性を高めたいと思ってはいても、今の生活を大きく変えるのは大変です。でも、小さなことを変えてみるのは簡単で、意外なほど効果的です。今回ご紹介する20のコツは今すぐ日常のルーティンに取り入れられるぐらい簡単です。時間をもっと有効に使えるようになるコツ、体力や精神力をうまく使うコツ、より高い集中力を保つコツなど、どれをとっても効果があるものばかり。気に入ったものがあれば、今日から実践してみてください。

単なる目標ではなく、行動の目標を立てる

目標達成そのものではなく、そこまでのプロセスに全力を傾けてください。「顧客とより良い関係を作る」という目標を設定するのではなく、「日に最低2件の顧客に電話してより良いサービスを提供するにはどうしたらいいか質問する」といった目標を立てましょう。目標達成のためのプロセスにフォーカスすればその目標はずっと到達しやすくなります。こうなったらいいなと思うことではなく、具体的な自分の行動について目標設定をしましょう。

誘惑に手が届きにくい状況を作る

やりにくいことは、次第にやらなくなるものです。不健康な飲み物は冷蔵庫に入れておきデスクの上には水のボトルを置きましょう。テレビのリモコンは2階のクロゼットの中など、遠くて行きにくい場所に入れてしまいましょう。Facebookアプリに手が伸びるなら、アプリを削除してメッセンジャーアプリだけにしましょう。ブラウザやEmail機能すらない「生産性パソコン」を用意するのも良いです。便利さは注意散漫の元です。誘惑に手が届きにくい環境を作りましょう。

もっとも重要な仕事以外を排除する

仕事の中でも、自分にとって重要な意味を持つタスクがあります。あなたの人生に一番大きな意味のあるタスクを2つか3つ挙げてください。一番の収入源になるものを2つか3つ挙げてください。できたら「それ以外のもの」を可能な限り排除しましょう。そうすれば「自分自身」でいられる仕事に時間を使えるようになります。

主要プロジェクトには意図的に少ない時間を割り振る

時間とは新しい家のようなものです。家具を揃えていくうちに大きい家もいっぱいになってしまうように、時間の塊も「仕事」で埋まっていきます。よって逆のアプローチをしてみましょう。重要な仕事を完成させるときは、かける時間を限定しましょう。そうすれば、集中度もモチベーションも高くなります。結果として、もっと多くの仕事ができるようになります。

途中で立ち止まる

アーネスト・ヘミングウェイは次のように言いました。

上手くいっているとき、次の展開が分かっているときにこそ、立ち止まってみることだ。毎日立ち止まれば決して立ち往生しないだろう。

このアドバイスはあらゆる仕事に当てはまります。自分が進めているプロジェクトの途中で立ち止まって、終えた仕事を振り返れば、次に何をすればいいか確実にわかります。

家事はまとめてする

重要な仕事にだけ集中したいと思っても、日々こなさないといけない作業はたくさんあります。一日のあちこちにこうした作業をちりばめたり、作業が発生する度にやってしまったりせず、予め計画された時間帯にすべてを集中しましょう。可能なら、疲れる時間帯や、精神的な休憩が必要になる時間帯に家事をしてください。そうすれば、生産的な時間を最大化できます。

Noと言う

あなたは礼儀正しく丁寧でいつも他人を助ける人です。チームプレイヤーでありたいとも思っていますが、多くのことを抱えすぎて滅入ってしまっています。「Yes」と言うのと同じぐらい「No」と言いましょう。言い方を選べば、相手の気分を害すことはありません。時間は無駄にできない重要な資産です。

小さいことから始める

毎日20人分の新しい顧客に勧誘の電話をかけることに決めたとします。それ自体はすばらしいアイデアですが「言うは易し行うは難し」です。かなり難しそうで、ほとんど不可能かもしれません。あまりに難しい目標を設定しても、結局は失敗に終わります。代わりに、小さなことから始めてみましょう。1日に20人ではなく、2人ならどうでしょう? 簡単な気がするので、これなら実行するでしょう。そして、だんだん人数を増やしていくのです。

頻繁に休憩する

短く頻繁に休憩を取ることは気分転換とエネルギーを充電するのに良い方法です。ポモドーロ・テクニックのように、25分間1つのタスクに集中して5分間休むという時間管理術も効果的です。燃え尽きないためのカギは燃え尽きを起こさない習慣作りにあります。定期的な休憩をして、燃え尽きを回避しましょう。

2分間ルールを守る

これは「仕事をやり遂げる技術」の1つです。あるタスクが2分以内にできてしまうなら、スケジュールに入れず、後からやろうなどとも考えず、リマインダーにセットせず、今すぐやってしまいましょう。

積極的に自由時間を設定する

自由時間は偶然発生するものであってはいけません。自由時間は余裕ができたときに運よくもてるというものであってもいけません。自由時間を計画的にスケジュールに組み込みましょう。楽しいことを計画して、実際にやって、楽しいことがあると期待するようにしましょう。あなたが幸せであればあるほど、長い目で見ればモチベーションと生産性が高くなります。それこそが、高い生産性の達成する土台になります。

朝一番に運動する

運動は活力を与えてくれます。運動は健康を促し、頭の回転も良くなります。さらに、運動すると、最大12時間気分をアップさせることができるそうです。運動しない理由はありませんね。まず20分間運動しましょう。頭の回転が良くなり、ストレスが軽減します。これ以上素晴らしいことはありません。

毎日健康的な昼食をとる

ヘビーな昼食をとったせいで、その日の午後は全然仕事にならなかった...なんてことは誰でも経験があるでしょう。昼食は午後のための燃料と考えましょう。手のひらに収まるぐらいのプロテインバーと野菜か果物で十分です。まとめて、お弁当にしてしまいましょう。これで、レストランまで行く時間を省けます。

水をもっとたくさん飲む

おそらくあなたは、十分な量の水を毎日飲んでいないでしょう。これは、とてももったいないことです。水を飲んで気分を保てば、やる気が湧いてきます。朝一番に水を飲むと新陳代謝も高まります。一日を通してもっと水を飲みましょう。そうすれば空腹感も減り活力が増し、病気にかかりにくくなります。トイレに行く頻度も増えるので、活動量も増えます。

生産性のための昼寝をする

短い昼寝をすると創造性が高まり、記憶力も良くなり、集中力を保つ能力も高まります。脳科学者によれば、1日の半ばで昼寝することで学習能力も高まるそうです。シリコンバレーではどの会社が「一番素敵なお昼寝ルーム」をデザインできるかを競っています。もはや昼寝はただの昼寝ではなくなりました。昼寝はあなたの生産性を抜群に高めるスキルです。

自分の好きな人たちと過ごすためにもっと多くの時間を割く

最近出会った人たちのことを思い出してみて下さい。モチベーションを高めてくれたり、ワクワクさせてくれたり、エネルギーを与えてくれたりしたのは誰ですか? 次に、その人たちともっと長い時間を過ごせるように工夫してみてください。あなたの人生を向上させてくれる人たちを自分の周りに置くのです。そうすれば当然のことながらあなたの人生は向上します。当たりまえなことのようですが、あまりにも忘れがちになっていることです。

眠る前に幸せを数える

明かりを消す前に、1日を憂うのはやめましょう。他人が持っていて自分が持っていないもののことを憂うのもやめましょう。反対に、自分が持っているものを思い出してください。ありがたいと思えるものをたくさん持っているはずです。こうすることで、気分は良くなります。毎晩幸せを数えましょう。そうすれば、翌日はもっと前向きなやり方で始められます。

頭は記憶するためでなく、考えるために使う

頭の中の「To-doリスト」や、記憶しなければならない情報に振り回されないようにしましょう。そういうものは全て書き出してください。書き出せば、仕事を効率的にこなすアイデア、人間関係のコツ、ビジネスで得られた知恵など、深い思考ができるようになります。記憶するためではなく、考えるために頭を使ってください。忘れないために紙があるのです。

通知を消す

電話が鳴って、Emailも鳴って、チャットのウインドウが飛び出してきます。あらゆる通知はあなたの注意を散漫にします。だから通知は消してください。通知から解放されるのです。そして一時間ごとに2、3分使って見逃しているものが無いか確認しましょう。

何も見逃していないことがわかるはずです。

小さな成功を積み重ねる

変えることは大変です。習慣を形にするのは難しいことです。新しいスキルを学びたければワールドクラスになろうと決意するのはやめてましょう。それは大きすぎる目標であり道のりは長すぎます。その代わりに、小さいことを1つだけ、本当に本当に上手くできるようになろうと決意して下さい。そしてその上に築いていきましょう。成功は、たとえそれが小さな成功であっても、モチベーションを与えてくれて、素晴らしいフィードバックが生まれ、新たに別の小さなことを本当に上手くやろうという気にさせてくれます。一歩ずつ着実に、いつかあなたはワールドクラスになっているかもしれません。それが、結局は、この方法の効果なのです。小さなことから初めて、やり続けましょう。そうすればいつかあなたの大きな夢が現実になるかもしれません。

20 Awesome Productivity Tricks Anyone Can Use|Inc.

Jeff Haden(原文/訳 春野ユリ)

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