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東京藝術大学大学院映像研究科は、今年4月、サムスン電子ジャパン株式会社の協力のもとにGALAXY Lab.をたちあげ、携帯電話、スマートフォン、デジカメなどの小型化、多機能、高性能の時代の映像をテーマに研究制作をおこなってきた。

この研究制作の発表会として、12月7日(土)、8日(日)、渋谷ヒカリエ8/ COURTにて、「いま、映像でしゃべること? - Orality in the Moving Image -」が開催される。

本イベントでは、GALAXY Lab.でおこなってきたさまざまな実験とそこから生じた映像文化への問いかけを、ショート・プレゼンテーション、展示、上映で公開する。
GALAXY Lab. で考察、研究してきたテーマは以下の3つ。

1)パーソナライゼーション
高機能のスマートフォン(GALAXY NOTE II)の動画機能に焦点を当てたカスタマイズをすることで、手の届く技術、自分のためだけのスマホを仕立て上げる。その発想、その方法等について議論する。
2)作法の開拓
同時に、それをどのように使うのか、どういったスキームで使うのかという問題から、そのためのアプリの開発も行っている。メディアの形態が変われば、使用の姿勢も変わるし、そのためには内部を改編することも必要だからだ。
3)コンテンツ
コンテンツをつくること、新しいメディアは新しいプロセスの発見を強要するもの。こうしたストレスは新しい可能性の発見を導き出すものだ。新メディアは、旧メディアを再発見する。


プロジェクトには東京藝術大学大学院映像研究科 教員、学生、卒業生、同大学他学科の学生、講師に加え、学外ゲストアーティストとして、谷口暁彦、時里 充、長岡勉、古橋太海も参加している。

12月8日には、トークイベント『いま、映像でしゃべること?』が予定されており、今回、発表する個々の研究を評しながら、映像メディア論、現代社会と技術、パーソナライゼーションなど、GALAXY Lab. で探求するさまざまなテーマについて語り合う。スピーカーは藤幡正樹(東京藝術大学大学院映像研究科教授)と北野圭介(立命館大学映像学部教授)。

これまでにはなかったような発想でつくられた映像装置のプロトタイプや映像作品をぜひ体験してほしい。
サイトには制作風景や作品の動画等もアップされているので、こちらも要チェックだ。

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《戦うコンピュータたちが実世界に独自の社会を構築させるためのエージェント》
青山 新 (c) Shin AOYAMA


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《ラケットカメラ》三嶋一路 (c) Ichiro MISHIMA


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《くるくるカメラ》谷口暁彦 (c) Akihiko TANIGUCHI


Information

東京藝術大学大学院映像研究科オープンラボ
「いま、映像でしゃべること? – Orality in Moving Image -」
presented by GALAXY Lab.

http://glab2013.net/

会期:2013 年12 月7日(土)12:00 – 20:00/12 月8日(日)11:00 – 19:00
会場:渋谷ヒカリエ 8/ COURT(東京都渋谷区渋谷 2-21-1 渋谷ヒカリエ8階)
東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線・副都心線「渋谷駅」15 番出口と直結。 JR 線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」と 2F 連絡通路で直結。
入場料:無料
主催:GALAXY Lab.(東京藝術大学大学院映像研究科+サムスン電子ジャパン株式会社)
協力:渋谷ヒカリエ、co-factory(co-lab 渋谷アトリエ)

参加者:
■東京藝術大学大学院映像研究科 教員、学生、卒業生
青山 新、石田晃人、荻堂正博、城戸要地、木村 稔、今野恭成、清水 玄、曽根光揮、竹内正人、田 中直毅、塚越ひかる、寺田光顕、仲本拡史、橋本祥吾、藤田至一、藤幡正樹、古澤 龍、堀江貴大、 森 博章、山下洋助

■東京藝術大学大学院美術学部先端芸術科 学生
三嶋一路

■東京藝術大学美術学部油画科 非常勤講師
リンダ・デニス

■学外ゲストアーティスト
谷口暁彦、時里 充、長岡勉、古橋太海

(五十音順/予定)

会場デザイン:西澤徹夫建築事務所
広報デザイン:大岡寛典事務所

トークイベント『いま、映像でしゃべること?』

12 月8日(日)14:00 ‒ 15:30
スピーカー:藤幡正樹(東京藝術大学大学院映像研究科教授)、北野圭介(立命館大学映像学部教授)
会場:渋谷ヒカリエ 8/ COURT
入場:無料(事前申込不要)

藤幡正樹(ふじはた・まさき)
1956 年東京生まれ。メディアアーティスト、東京藝術大学大学院映像研究科教授。1996 年、 《Global Interior Project #2》がアルスエレクトロニカのインタラクティヴアート部門においてゴールデンニカ賞を受賞。1997 年にインタラクティヴな書物をテーマにした《Beyond Pages》が ZKM のパーマネントコレクションとなる。2009 年の《Simultaneous Echoes》で芸術選奨を受 賞。著書に『アートとコンピュータ』(慶應義塾大学出版会、1999)、『不完全な現実』(NTT 出版、 2009)など。

北野圭介(きたの・けいすけ)
1963 年大阪府生まれ。映像理論。ニューヨーク大学大学院映画研究科博士課程中途退学。新潟大 学助教授を経て、現在立命館大学映像学部教授。2012 年 9 月から 2013 年 3 月まで、ロンドン大 学ゴールドスミスカレッジ客員研究員。著書に『ハリウッド 100 年史講義(平凡社新書、2001 年)、『映像論序説』(人文書院、2009 年)など。また、デジタル技術の到来が現代社会にもたらした作 用を論じる『制御と社会』(人文書院)を 2014 年 3 月に刊行予定。